<雷の守護者の場合>
オレがボンゴレ……ツナとの思い出を全部思い出したのは、ツナがびーびー泣くオレを慰めてくれているところだった。
そこまでのオレは、リボーンの暗殺宣言をして手榴弾を室内で投げてそれをリボーンに返されて黒こげになって大泣きして鼻水をツナのズボンになすりつけたりしてた。
別に痛くてないてたわけじゃないけどな!
……とにかく。
オレの鼻水をかんだツナが顔を寄せてきて、そこでばちりと目があった。
そしてオレは、十五才くらいになるまでの思い出を思い出した。
後でそれを獄寺さんや山本さんに言ったら、「遅すぎだろう!」と爆笑されたが、その時は唐突に湧き上がった記憶に、ただオレは呆然としていた。
そんなオレを、ツナは慌てて抱き上げてあやしてくれた。
本当は男なんかに抱き上げられたところで嬉しくもなんともないはずなのに、オレはその腕の暖かさを知ってた。
悪戯すると怒られるし、リボーンを殺そうとするとやっぱり怒るけど、その後きちんと慰めてくれるし、ブドウアメだって買ってくれる。
手伝いをしたら褒めてくれるし、休みだと一緒に遊んでくれる。
とはいえ、思い出したからといっていきなり大人っぽく振る舞うのは無理がある。
一応、今は、それなりに「いい子」でいられるようになったと思が、あんまりいい子だと「気持ち悪ぃ」と獄寺さんに言われるから、そこで爆弾を投げてツナに怒られたりして
いる。
子供って大変だ。
回数は減らしたけれど、リボーンの暗殺は続けている。
少しだけうまくなったようで、この間リボーンに「お前誰に吹き込まれたんだ?」と褒められた。
うん、そんな感じで、オレは今日も五歳児やってます。
***
(大変だけどなかなかに楽しい)