<ボンゴレ式ドッヂボール>
並盛高校は普通の高校なので、当然体育の授業もある。
が、今日は担当教諭が謎の食あたりで倒れたので、生徒同士の話し合いの末にドッヂボール大会となった。
女子は「当たると痛いから嫌」とバレーに行ってしまったが、男子はノリノリだ。
小学生の遊びではないかと侮るなかれ。
単純な遊びは意外と燃える。
そして高校生になった彼らの投げるボールは当たるとマジで痛い。
そして、チーム分けは天の采配か。
「…………」
「悪いのなー、家継」
「これもゲームだからしょうがないな」
「「じゃ、大人しく死んでくれ♪」」
「ちょっと待てお前らぁぁああああ!!!!!!」
神様、どうしてこんな組み合わせになったんですか。
いい笑顔でボールを掲げる夜鷹と悠斗に、家継は絶叫した。
どうしてあの時俺はグーを出さなかったのか。
こういう時にはほんと働かねえな超直感。
夜鷹&悠斗VS家継。
普段家継にべったり(?)な二人が家継と敵対するという普段見られない光景に、クラスメイトは興味津々だ。
だが、家継にしてみれば笑っていられるような状況ではなかった。
たかがドッヂ。されどドッヂ。
普段から鍛えている奴らの投げるボールの破壊力など考えたくもない。
これが普段の体育なら、周りのクラスメイトの事も考えて、手加減しつつ楽しく……なんて事も可能だった。
しかし家継は知っている。
このグラウンドがよく見える場所に、どこぞの黒服家庭教師様がいらしているのを。
「授業参観だ」と言っていたが……今頃この状況を楽しくてしかたがないといわんばかりに笑って見ているのだろう。
というか今日の教師の食あたりの原因ってもしかして……いや、考えるのはよそう。
とにかく。リボーンの前で手など抜いたらそれこそ殺される。
それが例えドッヂボールでも。
そんなわけで最初こそ身構えていたものの、ボールは一向に家継に向けて飛んでこない。
周りのクラスメイトが当たったり当てたりとしている中で、夜鷹や悠斗にボールがいっても、家継を狙わずに他のクラスメイトを当てに行くのだ。
その理由は――最初の数球の時点で家継も理解していたので、家継も他のクラスメイトに向けて手加減をしたボールを投げていく。
そうしてコートの残りがとうとう三人になった時。
内野に残っている悠斗が、器用に指先でボールを回しながら、笑う。
同じように夜鷹も笑っている。
――二人とも目が笑っていない。
「……これ、負けた方はどうなんのかな」
「なんだ家継、もう負けた後の事を考えてんのか?」
「勝ちは俺達のもんかねえ」
「……死ぬ気で勝つ。絶対勝つ。死んでも勝つ」
負けたらきっと待っているのは死のみだ。
ひしひしとどこからか向けられる視線の威力に慄きつつ、家継はぐっと足を踏ん張った。
「ボンゴレ式ドッヂボールの開幕だ」
楽しそうな声がどこからか聞こえた気がして、それが余計に恐怖を煽った。
***
見えない弾丸が無差別にぴゅんぴゅんとんだりするドッヂボールです。
リボーン先生の撃たれる銃弾なので当然普通の生徒には見えません。
家継「煤i゚▽゚;ノ)ノ 不利なオレを狙うなよ!」
リボーン「何ぐだぐだいってやがんだダメツグめ(連射」
家継「死ぬΣ( ̄□ ̄|||) 死ぬぅううう」
夜鷹「悠斗!」
悠斗「おっしゃ狙い撃ちー!」
家継「煤i゚▽゚;ノ)ノ おま えら 絶対 俺の 守護者じゃ ねーっ!!」
夜鷹「何を言う。俺達はいつだってボスのためを思ってるぜ☆」
家継「そうか……(超直感フル発動」
悠斗「あ、ズリ!」
夜鷹「肉体が反応できない速度で投げろ!!」
家継「そっちがその気ならこっちにも考えがあるぞ……(手に炎スタンバイ」
二人「「それはねえだろ!?」」
家継「投げた瞬間、投げてないほうに向かって、コレ投げてやる」
夜鷹「落ち着け。ドッヂで投げるのはボールだけだ」
家継「ギャラリーには見えないから安心しろ、ボールを持っていない夜鷹(標的ロックオン」
夜鷹「……お前がその気なら(幻覚発動」
悠斗「え、ちょっと待て、俺が耐性な……(バタリ」
夜鷹「あ、しまった!Σ( ̄□ ̄|||)」
家継「ほい、っと(ボールあて」
夜鷹「悠斗お前今度幻覚特訓な!」
悠斗「ごぼごぼごぼorz」
一瞬のできごとなので、クラスメイトは夏の日差しでくらっとしたなぁと思っている程度で済みました。
……で、これが特訓に組み込まれると。
家継「バリアありだよな!(炎展開」
二名「「ずりぃΣ( ̄□ ̄|||)」」
リボーン「そうすると誰がボールを投げ返すんだこのダメツグが」
家継「地面に一度落とすのなしなの!?」
リボーン「あたりまえだ。地面に落ちた瞬間にボールが爆発するぞ」
家継「蹴る!」
悠斗「打ち返すってあり?」
リボーン「バットは持ち込み禁止だぞ」
悠斗「剣で」
リボーン「許可」
家継「なんだそれ!?」
夜鷹「じゃあ三叉で打ち返したり、幻覚で軌道くらませるのも?」
リボーン「……ボールの軌道ならアリだ」
デスマッチ\( ̄▽ ̄)/