※政宗様が限りなく破廉恥です。
※あ、だめ。と思ったら速やかにプラウザバックプリーズ。
※別にそういうシーンがあるわけではないです。
※シモネタ。
【検査方法】
@尿を用意します
A熱します
B酢酸を入れます
C反応を見ます
D色々な事が判明します(主に医療的に)
「というわけだ。Okey?」
「……待って旦那。俺様ただの忍だから」
検査用具一式を差し出して得意気に説明した政宗に、佐助はぱたぱたと手を振る。
不満そうに舌打ちされたが、呆れた視線を返して、佐助はあのねと付け足した。
「忍は便利屋じゃないです」
できるできないの問題じゃない。
何が悲しくて人の排泄物を採取しないといけないのか。
いくら忍が汚れ仕事に慣れてると言っても、汚れの種類が違うと思う。ていうかやりたくないから。
という説明をしたら、ふん、と鼻を鳴らして政宗は言った。
「なんだ、できねーのか」
「できないなんて言ってないでしょ」
「そんなに嫌がるってことはできねーからだろ?」
「……できないと言われてやらない俺様じゃないよ!」
むっとして佐助は言い返した。
言い返して、その時佐助はまだ気付いていなかった。
政宗の唇がかすかに上がる。
けれど顔つきはまだ胡乱気なままだ。
「めんどくせぇな。どっちだ、できるのかできないのか」
「――やってやろうじゃない!」
「Good!」
ぱし、と手に持っていた扇で膝を叩いて政宗が顔を輝かせた。
そこに至って佐助はしまった乗せられたと気付いた。
気付いたところでもう遅い。
「じゃあまずは尿を取って来ないとな」
「……ああもう俺様のばかぁ……」
がっくりと項垂れる佐助に反して政宗は楽しそうだ。
何がそんなに楽しいのか。
佐助をからかって遊ぶのが楽しいのに違いない。
一度やると言ってしまったからには、ここで撤回すると余計に煩い事になるだろう。
仕方がないと腹を括った佐助は、そういえばと首を傾げた。
「でも誰のやるの? まさか竜の旦那の?」
「自分は自分でやった」
「あ、そう……」
何の異常もなかったぜ、とからから笑う政宗に、だったら他の人も自分がやればいいのにとちょっと思った。
「幸村と小十郎どっちがいい?」
他に選択肢はないのか。ないな。
「旦那ので」
「即答だな」
「そりゃね」
旦那のおねしょを片付けた経験もある。別に恥ずかしくもなんともない。
政宗はさして異論を挟むでもなく、「OK」とだけ返した。
――もちろん、それで終わるわけがない。
検査結果を持ってきた佐助に、ご苦労と政宗は笑う。
幸村のを行う前に佐助本人も試しにやってみたものの、双方結果は異常なし。
思った以上に簡単な検査方法は少し実験のようで面白かった。
「幸村に異常があるとは欠片も思ってねえ。次は小十郎だ」
「……言われると思ったー」
「ならいいだろ」
「俺様より旦那がやった方がいいんじゃないの」
「あいつが俺に採らせてくれるわけねぇだろ」
「それは俺様にも同様に言える事だと思うんだけど……」
「つべこべ言わずに取ってこい」
「……まぁ、ただ容器に入れてきてもらえばいいだけなんだから恥ずかしくはないけどさ……」
引き下がって佐助は小十郎のところに向かう。
なぜか政宗もついてきている。ついてきたなら最初から旦那がやればいいのにとは口にはしない。
しかしなんだって、一応同盟国とは言えど他のところの筆頭の言われる事を聞いているのか。
……いやもう口車に乗せられる自分の馬鹿としか言いようがない。
忍より口の達者な国主ってどうなの。いや、国主だからこれくらい回らないといけないの?
「Hey! 小十郎ちょっといいか?」
「政宗様、政務はどうされました」
「まあまあ、固い事言うなって。佐助が用があるらしいぜ」
「なんだ?」
「……小十郎さん、実験のために尿ください」
「……………………は?」
思いっきり怪訝な顔をされて、そりゃそうだよねと佐助は少々投遣りな気持ちになった。
紙でできた容器をずいと差し出して口を尖らせる。
「実験で尿がいるの。だからこれに入れてきて」
「…………」
「だって竜の旦那がやれって! 俺様だって好きでやってるわけじゃないんだからそんな目で見ないでよ!!」
いたたまれなくなって叫べば、小十郎はそれで理解したらしく、横でにやにやと笑っている政宗をちらりと見て嘆息した。
「……分かった。少し待ってろ」
「はーい」
「たっぷり頼むぜ」
「旦那そういう事言わない」
「政宗様、もう少し節度を持った発言をしてください」
双方からぴしゃりと言われて政宗はさすがに黙った。
***
ここまでが限界な気がします。
こっから先はなんか悪ノリじゃ済まされない気がする……主に政宗様が。
でもやってみた。
↑の部分を鼻で笑えた度量のある人のみどうぞ。
「ほらよ」
「ども」
差し出されたそれを受け取る。
律儀に、というか容器には紙で蓋がきちんとしてあって、容器自体もたぶんいらないであろう布で包まれていた。
別にそこまで気にしないのに、とも思うが、その心遣いがちょっと嬉しい。
「というわけで佐助。飲んでいいぜソレ」
「ぶふっ」
「政宗様!?」
「あぶねーなぁ、せっかくのモノが零れるところだったじゃねーか」
「それはあんたの発言のせいだよね!?」
容器を取り落としそうになった佐助の手からそれを取って、政宗はAh?と首を傾げてみせる。
相変わらず笑みは絶えていない。
「いきなり直飲みはきついだろうから最初は間接的にと思ったんだが。直のがよかったか?」
「そういう問題じゃないでしょう政宗様」
「てかなんで飲むの前提!?」
「倦怠期だろうと思って」
「それで直る倦怠期なんて聞いた事ないよ!」
「……ふむ」
「片倉さんもそれで悩まない! てかそもそも倦怠期でもないし!?」
なんなんだよこのオチ、と佐助は全力で叫んだ。
***
改めて ひどい。