時は経って、夕食後。
二人だけで人気のない時間に入りに来たジョウイとセノは、穏やかに話しつつ湯船に浸かっていた。
「……セノ」
「うん?」
「その、テッドさんの……うん、そのね、セノ」
一応夕食前の話を男として気にしていたらしいジョウイ。
「別に、僕はジョウイだったらいいよ?」
そう言った後で頬を赤くしてぶくぶくと湯船に沈んだセノに、ジョウイはゆっくりと彼の肩に向かって手を伸ばす。
「セノ」
「な、なに……ひゃっ」
びくりとセノが身体を震わせるが、ジョウイは止めることなく首筋に唇を押しあてた。
「ちょっ、ジョウイここ普通のお風呂っ」
「ん〜」
聞こえない振りをしてジョウイの手はセノに触るのを止めることなく、前に移動するとその指先でわき腹あたりから臀部にかけて指を下ろす。
湯に包まれているせいで、いつもより動作が遅い。
セノの頬が赤いのはお湯にあたっただけではないだろう。
両手で口元を押さえて、声を必死に噛み殺すその姿が愛らしく、ジョウイは微笑むと耳に歯を立てる。
「ひゃあ――っん」
「声、我慢しなくていいよ?」
「だ、だって……やっ、ジョウイーっ」
整えられた爪先で胸の尖った部分をなぞられて、ぴくんと体を震わせたセノは、真っ赤な顔で背後のジョウイを振り返る。
「やだよぉ、ジョウイ、部屋に帰ってからにしよう……」
「や、だ」
「お、お風呂の中じゃ後の人に迷惑だよ、ね?」
そうだね、と呟いたジョウイにほっと安堵の顔を見せたセノだったが、ジョウイが湯船から上がりついでに自分を抱きかかえた事にはびっくりして、思わず足をばたつかせる。
「ちょっ――!」
「お風呂の中じゃ迷惑だね、汚れちゃうと」
「そう、汚れ……って……」
そっと下ろしたセノを見下ろして、ジョウイは微笑む。
「湯船を汚さなければいいんだろ?」
「そういう問題じゃないよーっ」
相手の言わんとしている事がわかったセノが、思わず大声をあげて抗議したが、ジョウイは全く気にしていないようだ。
「だって、部屋まで我慢できるの、セノ?」
「…………」
ほら、と楽しそうに呟いてジョウイはセノのモノに手を触れる。
「んっ」
「ほら、湯船から出てよかったろ」
既に先走っているそこを優しく撫でてジョウイは微笑んだ。
「大丈夫、終わったらすぐにシャワー浴びれるし」
「そういう、問題、じゃ……だいたいここ、露天風呂で……やぁっ」
前の方に意識が行き過ぎていたせいで、いつのまにか後ろに回っていたジョウイの指が後ろに触れた時初めて気付いて、思わず声が上がる。
「お風呂のお湯が入ってるからやりやすいね、痛くないでしょ?」
「ない、けどっ……あ、あんっ、ジョウ、イっ」
奥に入れるとあえぎ、抜こうとするとふるふると首を振るセノをしばらく見て楽しんでいたジョウイだったが、もとよりさほど余裕があるわけでもないので、そろそろと思ってはたと気
付いた。
「……床、痛いな」
「い、いいからっ」
「僕が嫌だよ……じゃあ僕が横になるからセノが動いて?」
「え……えっ!?」
「ほしいんでしょ?」
ね、と言われてセノは横になったジョウイの上を跨いで、ゆっくりと自分でジョウイのモノを後ろへと導く。
やった事がないわけではないけど、自分から求めるという事実をまざまざと実感するので、とても恥ずかしい。
「ジョウ、イ」
「何?」
「あの、一回だけ、イったら、部屋戻ろう、ね?」
「一回ね」
そう簡単にイかしてあげないけど。
ジョウイの微笑みに、必死に腰を揺らしていたセノは気付けなかった。