<おにごっこ6>
「というわけで優勝は逃走E班でしたー」
「ルールを逆手にとった華麗な戦法よ☆」
「明らかにルールミスだろ……」
「姉さんが非戦闘要員にカウントされることがおかしいんだ」
「ラウロ、あんたちゃんとあの穴片づけろよ」
「ジョウイにやらせるから問題はない」
「僕だけ!?」
台の上で喝采を浴びているアズミ達を見ながら、ぼそぼそと会話を交わす一同。
数名どこかの死線を潜り抜けてきたかのような格好をしているが、自業自得と知っているので周りは誰も労いの言葉をかけなかった。
拳をマイクの代わりにしてシグールはアズミ達へと向ける。
「さて、それではアズミ達のお願いを聞いちゃいまーす」
「…………」
「聞きたくねーなー」
「ラウロとリーヤの一日奴隷とかかねぇ」
「止めろ」
テッドの薄笑いをラウロが固い声が遮る。
顔色が青い彼を見る機会などそうそうない。どんなに悪い戦局でも顔色ひとつ変えないラウロがここまで怖れる姉という存在について、改めて一同は認識を確かにした。
ぶっちゃけ彼女達の一日奴隷とか誰も嫌です。
「色々考えたんですけどー」
「定番として執事喫茶でもやってもらおっかなって☆」
「「…………」」
「よかった、思ったよりまともだった」
「ラウロ、お前が考えてた最悪のシナリオはなんだったんだ」
「聞きたいか」
「……いや、いい」
ふるふるふると拒絶したテッドに鼻を鳴らして、ラウロは着々と机の上に積み上げられているのであろう仕事をどう片付けようかと考えていた。
どうせやるのは失格になった奴らだろうとラウロを始めとした生き残り面子は我関せずという顔をしていたが、アズミの次の言葉で一同は凍りついた。
「対象は参加してた男性全員で☆」
「女の子達、遊びにきてね〜」
「あら、男性も歓迎よ」
観客から黄色い声援があがったが、てっきり免除されると思っていた面々にとっては冗談ではない。
やってたまるかと壇上を睨みつけ、睨み返され全員が視線を床に落とした。
だめだ、勝てない。
こうして一部にとっては息抜きでもなんでもないけれど大部分にとっては楽しい娯楽となったおにごっこは終わり、後日一日執事喫茶が本当に開かれた。
おにごっこに参加した男性がほぼ全員動員されたためとんでもない人気となり、その日の売上を勘定したウィナノはほくほく顔だったとか。
***
だらだらと続きましたがこれにて終了。
役割は以下のとおりでした。
実況中継係→ヤマト・アスカ・アキラ・他忍者s・カフス(とその鳥)
司会進行→シグール
書記→ロアン
オニA→リアト・アリエ・ネイネ
オニB→テッド・シエラ・スピカ
逃走A→クロス・ルック・湯葉→湯葉が可哀想
逃走B→ライ・バロック・ダナイ→一番まっとう
逃走C→アレスト・イック・ウリュウ→イック完全巻き込まれ
逃走D→クロード・キルベス・ヒーアス→読めたオチ
逃走E→アズミ・ウィナノ・リリー→触ったら祟られる
逃走F→ギラム・ビッキー・メルディ→大穴
逃走G→ラウロ、ジョウイ、ケイン→ジョウイ真っ先に見捨てられるフラグ
逃走H→リーヤ、ササライ、ペリア→バランスってなに?
(オマケ)
執事喫茶あれこれは文章にならなかったのと最早おにごっことはベツモノになるため会話のみで。
●免除の人達
リアト「え、僕はいいの?」
アズミ「さすがに軍主様に執事やらせるのわねー」
リアト「でも僕だけって、悪い気がするんだけど」
アズミ「ウリュウ様とアレストも免除してるわよー。もしどうしてもっていうなら、お客として遊びにきてあげて? あと、そのひ一日お仕事を頑張るのが「命令」かしらね」
リアト「え」
アズミ「ラウロもリーヤもテッドもジョウイもササライも動員しちゃうから。頑張ってね」
リアト「が、頑張る!」
アリエ「でも、どうしてウリュウさんとアレストは免除なの?」
アズミ「だってあの二人の接客受けたい?」
アリエ「…………」
アズミ「それにラウロが仕事が溜まるって煩くって。だからアレストにはせめて少しでも減らすようにって言いつけてきたわ」
アリエ「あれ、ウリュウさんは?」
アズミ「ギラム専用執事」
アリエ「…………」
●始まる前に
リリー「あ、ササライとルックは執事でなくメイドで」
ササラ「執事喫茶なんだから執事させてくださいよ!!」
リリー「だってほら、男性客のニーズもあるじゃない?」
ササラ「執事喫茶って時点で明らかにターゲットは女性に絞られていませんか!?」
リリー「大丈夫よ、顔立ちはルックと同じなんでしょ? ちゃんとした格好をしたら可愛い女の子に見えるわ」
ササラ「ルックはなにか言わないんですか!?」
ルック「……ササライ、あっち」
ササラ「あっち?」
メルデ「あ、夜はホストバーにするから、そっちの衣装も用意してね」
一同 「「Σ( ̄□ ̄|||)」」
テッド「え、ちょ、昼だけじゃねーの!?」
ウィナ「夜は売上ノルマを達成した人から終了にしてあげる♪」
メルデ「あ、ペリアは免除したげるわ。未成年がホストやるのはまずいわよねー」
ペリア「やった\( ̄▽ ̄)/」
ジョウ「身内を甘やかすのはよくないと思います!!」
メルデ「あら、文句あるのかしら」
テッド「だいたいペリアの実際年齢三十じゃねぇか! 普段子供扱いすんなっつってんのにこういう時だけずるいと……オ、オモイマス」
メルデ「ウィナノ、テッドのノルマ二倍で☆」
ウィナ「了解♪」
テッド「理不尽だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ジョウ「触らぬ女性に祟りなし……」
ササラ「…………」
リリー「で、メイドがなんですっけ?」
ササラ「喜んで着させていただきます」
●蛇足:夜の部のクリア手段
☆ラウロの場合
→ノルマ制と言われた瞬間、完璧な営業笑顔状態になり即行でノルマクリア。
希少価値の勝利。ただし親しいメンツは胃の辺りがキリキリするらしい。
(そして「ノルマ達成」の言葉を聞いた瞬間、無表情になって去っていきます。怒涛のお仕事タイム)
☆ライの場合
「…………」
「あれ? セセナちゃんどうしたの?」
「未成年は禁止の時間よ?」
「……これ全部、ライによ。ノルマに足りる?」
「ひいふう……はい、ライのノルマ終了ー」
「Σ( ̄□ ̄|||)」
「さすがお嬢様ね……」
「ライのお嬢様はセセナだけよ」
☆クロードの場合
→キルベスとタッグで行動して売上は全部自分のノルマに使う。
「戦略的だと言ってくれ」
「外道煤i゚▽゚;ノ)ノ」
☆ジョウイの場合
黙ってにっこり笑っていりゃあ綺麗だし、口もたつので普通に終了。
☆リーヤの場合
普通に人気者ですから
☆ササライ・ルックの場合
彼らはメイドのため昼の部のみで終了
☆クロスの場合
普通にお相手上手だと思う。仕えるのは専売特許。
☆ヒーアスの場合
だってこの中で唯一気兼ねなく弄り捲くれる人だもの。サドっ気のあるお姉様方に人気。
☆ケインの場合
前半ちんたらしてるだろうけど、離脱組出てきたらスパートかける。
「素を捨てればどうとでもなる」
☆湯葉の場合
ダナイはケインとかの落ち着いたところでまったりしています。
それを見た湯葉がひっそり落ち込んでたりするのを見て募金がひっそりと。
……そして落ち込むだけでなく、立ち上がります。
「…………」
「あらユーバー、どうしたの?」
「…………(自分でもよくわからない」
「戻らないと、お客さん待っているでしょう?」
「…………(引き下がる」
「戻ってくんじゃないわよ!!」
「Σ( ̄□ ̄|||)」
「行きなさい! ダナイここから連れ出せたらノルマクリアにしてあげるわ!」
「…………」
「連れ去っちゃいなさいって! これは命令よ!」
「…………(頷」
→ダナイを無言でひょいっとお姫様だっこして部屋を出ていく。
→拍手の渦
☆イックの場合
彼はそもそもアレストとウリュウに巻き込まれ、彼らに巻き込まれて失格となったため受付ということで情状酌量。
☆テッドの場合(以下メッセでの会話にて)
蒼:ノルマ2倍にならなかったらテッドもうちょい頑張れるんでしょうか
琉:でもさあ、ぶっちゃけさあ「キルベス・ジョウイ・クロス・リーヤ・ヒーアス・ルック・ササライ・ケイン」の面子がいたら君はテッドにいくか? 私は行かない(断言)
蒼:ぶっちゃけ笑顔のラウロがいる限りまずラウロに走る。本来ならケインなんだけれども笑顔のラウロならラウロを取る(正直)
琉:ラウロとライはクロードはほぼ反則技でさっさと逃げたとして残りの面子をみても、私はテッドにはいかない。たぶんクロスと談笑してヒーアス弄ってリーヤやキルベスと騒ぐ。顔の造形って大事なのだよテッド君。
「イケメンなんて爆発しちまえ」
「じゃあテッド、僕ノルマ終わったから(爽」
「勝負だケイン……!」
「……素を捨てればどうにでもなるもんだ(立ち上がり」
「Σ( ̄□ ̄|||)」
「じゃあな」
「ちょっとまってΣ( ̄□ ̄|||) どんな手使ったんだ!?」
「手を握ったりじっと見つめたり適当にそれっぽいことを囁いたりしただけだ」
***
「ねえ、トトカルチョで大勝ちしたその金、あれに使ってあげなくていいわけ」
「えー? もったいないじゃん(゜▽゜)」
「…………」
「だいじょーぶ。最後にはちゃんと買い取ってあげるから(^▽^)」