☆☆☆



シグール「ねえビクトール」
ビクトール「ん、なんだ?」
シグール「もうすぐ最終決戦だよね」
ビクトール「あ? ああ、そうだな。セノは頑張ってんな」
シグール「あのさ、これが終わったら一度トランに来ない?」
ビクトール「お? 俺が恋しいか? あっはっは」
シグール「ううん、食い逃げと賄賂と放火罪があるんだよね、いつ刑期おさめにきてくれる?」
フリック「……ビクトール、お前そんなことやってたん」
シグール「ああそう。フリックもぜひ一緒に」
フリック「……何かしたか」
シグール「嫌だなあ、僕への侮辱罪と装備品横領罪だよ、刑期奮発してあげるから」
フリック「…………」
シグール「それと、今回は勝手に逃げられないように僕も最終決戦に付いて行ってあげるからね」
ビクトール「…………」
セノ「あ、シグールさん。今からロックアックス城なんです、一緒に行ってくれますか?」
シグール「うん、かまわないよ。すぐに行くから待っててね――
      てわけで、覚悟しておきなね、懲役3年のビクトールに10年のフリック」
フリック「10年っ!?」





☆☆☆





クロス「ずーっとここ数年疑問だったんだけどねテッド」
テッド「なんだ」
クロス「君、シグールの家で何してんの?」
テッド「午前中は読書して午後はシグールとなんかする」
クロス「なんかって……」
テッド「書類書き写しとか打ち合いとかお使いとか」
クロス「……シグールは午前中何してるのさ」
テッド「シグール? あいつは書室にこもって書類書いたりとかたまに交易結びに出かけたりとか」
クロス「……働いてるんだ」
テッド「俺も疑問だったが、お前のとこは金がどうやってどこから入ってくるんだ」
クロス「レックナート様が月々の生活費くれるよ、一応」
テッド「赤月帝国の星見はもう別の人間になったんだろ?」
クロス「なんか金持ちの面々の弱みを握ってるとか」
テッド「…………」
クロス「たまぁーにそれっぽい人からお金が来るよ」
テッド「……いいのか」
クロス「あとね、僕が内職したりとか、ルックはふらっとどっか行ってお金もって帰ってくるなあ」
テッド「は?」
クロス「よくわかんないけどね、うちの家計の収入の四分の一はそれかなぁ?」





☆☆☆





セノ「……ジョウイ」
ジョウイ「なんだい」
セノ「疲れない?」
ジョウイ「頑張れセノ、あと5組倒したら滝に飛び込もう」
セノ「108回闘うのに意味があるの?」
ジョウイ「僕達のときめくメモリーをフルカラーで見るためだから」
セノ「……いったい、何人いるんだろうね」
ジョウイ「なにが?」
セノ「さっきから、600人は倒してると思うんだ」
ジョウイ「そうだね」
セノ「……ハイランド兵って、こんなにいたんだね」
ジョウイ「うん」
セノ「僕たち、ユニコーン少年兵になんか志願しなくてもよかったと思うな」
ジョウイ「……そうだね」
セノ「それに、ラウド隊長どーして自分で闘わないんだろうね」
ジョウイ「…………」
セノ「600人も兵を連れてくるくらいなら自分で闘った方が疲れないと思うん……ですけど」
ラウド「そ……そこで、まって、いろ、す、すぐに……」
セノ「ラウド隊長、疲れません?」
ラウド「あ、あたりまえ……だ……ゼーゼー」
セノ「ちょっと休憩しませんか、それで、お互い元気になったら再開」
ラウド「そ……そうだな……ハーハー……もう年だ……」
ジョウイ(これでいいんだろうか……)





☆☆☆





セノ「ここが……僕の……家、だった」
ルック「ふーん・・・ずいぶんと大きいね」
セノ「うん、道場もかねてたから」
シグール「なかなか落ち着いたいいたたずまいじゃないか」
シエラ「おや、これはなんぞえ?」
シグール「……? 崖……」
ルック「いや、崖がなんか……人型に窪んでる」
セノ「あ、それは僕の型」
シグール「どう言う意味?」
セノ「……ナナミが……僕をちょっと突き飛ばした弾みでこう、めきょっと……」
ルック…………」
シグール「…………」
シエラ「…………」
セノ「今ではいい思い出なのかな……」
シグール「……突き飛ばした弾みで人間がのめりこむものだろうか(小声」
ルック「物理的にありえないだろ、そもそも、のめりこめる人体の方もおかしい(小声」
シエラ「普通の女子かと思っておったが、さすがじゃのう……(小声」





☆☆☆





セノ「なんでルックって初対面からテッドさんを落っことしたりしてるの?」
ルック「あ?」
ジョウイ「確かに、一言も会話らしい会話交わしてないのになんでテッドさんだけ」
ルック「決まってるでしょ、手袋の下の紋章の気配」
セノ「わかったんだ?」
ルック「まあね」
ジョウイ「……で、なんで落っことすんだ」
ルック「いや、実年齢300歳のはずのソウルイーターの宿主がなんだってこんな坊ちゃんな近衛兵のお使いについてきてんのかなーとか、思ってね」
ジョウイ「まて、その年齢はどっから」
ルック「曝露してた」
セノ「え?」
ルック「「俺はこう見えても300〜」ってほざいてたよ」
ジョウイ「……テッドさん……あんたって人は」
セノ「でも落っことす理由にはなってないような……」





☆☆☆





キカ「シグルド」
シグルド「はい?」
キカ「……その、ハーヴェイと話していたんだが、クロスの事でな」
ハーヴェイ「お前なら知ってるかと思ってよー」
シグルド「クロス様の? なんです?」
キカ「クロスは、あの双剣の扱いをどこで学んだんだ?」
シグルド「…………」
ハーヴェイ「ついでに、あいつ最初は流刑されたんだよな? もぐりこんだケネスやポーラはともかく、どこで剣を手に入れたんだよ?」
シグルド「…………」
キカ「あ……知らない、か? やはり」
シグルド「世の中には知らなくてもいいこともあるのです(笑顔」
キカ「そ、そうだな。悪かった」
ハーヴェイ「お、おう、じゃあなシグルド!」
シグルド「……でもまあ、気にはなるな、いつか聞いてみるか……」





☆☆☆





エレノア「…………」
ミズキ「…………」
リノ「これでお前がこの船のリーダーだ」
アカギ「ちょ、ちょっと待て」
リノ「なんだ、異論か?」
アカギ「いや、クロスがリーダーってのはいいんだ……クロス、お前どこでその……」
クロス「?」
ケネス「いやぁ、すごいなクロス、いつ回転斬りなんて覚えたんだ」
ポーラ「軽い身のこなしでしたねー」
リノ「曲芸みたいだったな」
エレノア「むしろ回る意味があるのかい?」
クロス「えーっと、かっこいいから?」
アカギ「いや、俺が聞いてるのはどこでそんなものを覚え……(げふっ」
ケネス「いやぁ、強くなったなクロス!」
ミズキ「……馬鹿だな、お前は地雷を踏んだんだ、みろ、彼らの必死な顔を」
アカギ「地雷て……何が(肘鉄により撃沈」