「Happy Birthday 僕!\( ̄▽ ̄)/」
「お誕生日おめでとうございますー」
「自分で初っ端に叫ぶなよ……」
「しかし考えてみたら、シグールの誕生日も時期的に微妙だよな……」
「そう? 夏コミ終わってある程度空いてるし、忘れにくいし素晴らしい日だと思うけど(・▽・)」
「…………」
「ジョウイ、分が悪い。もう諦めろ」
「……orz」
「さてと、今年の僕への誕生日プレゼントは何かな?」
「今回の君へのプレゼントは僕が代表で選ぶことになったんだけど」
「おお、ルック!」
「面倒だからなしで」
「「はい(・▽・;)」」
「……ルック?」
「だから、なし」
「……うん、ごめんルック。もう一度だけ言ってもらえる?」
「だからな――」
「ルックちょっとこっちおいで」
「いやいやルック、お前マジで何の用意もしてねーの?」
「だって面倒じゃない」
「ルックって決まった時に、「僕に任せておいて」って言ったよね」
「あれこれ口出しされると煩いからね」
「……この子は……」
「……ルック、あいつ地味に誕生日プレゼント楽しみにしてんだよ」
「この歳になって何を今更……」
「んー……プレゼントそのものっていうか、僕達からもらえるのをっていうか……ルックもわかるよね?」
「…………」
「なんだかんだであいつ、毎年楽しみにしてるからなぁ、祝ってもらうの。そのために仕事とかかなり前倒ししたりとかしてるし」
「…………」
「今からでも遅くねぇ。何かないのかルック」
「あ、ほらトランの魔法講師三割引きで請け負うとか。商人らしくていいんじゃないか?」
「仕事絡みかよ……」
「それは僕らの生活かかってるからだめ(゜▽゜)」
「クロス……目が本気すぎるよ……」
「……仕方がない」
「お?」
「シグール」
「……なに」
「まぁ、割合僕にも非があるのを認めよう」
「珍しくルックが自分の非を認めてるΣ( ̄□ ̄|||)」
「テッド黙ってて」
「お詫びってほどじゃないけど、この間あんたが勝手に見たあのリストから、ひとつだけ好きな薬作ってあげる」
「…………」
「…………」
「……なんでも?」
「入手困難な材料については手回ししてもらうけどね」
「……じゃあ、あの時頼んで却下されたあれとかあれとかあれでもいいの?」
「いいよ」
「わーい!!ヽ(☆▽☆)ノ」
「……おいルック。リストってなんだ。一体お前は何を作るんだ?」
「シグールがころっと機嫌を直すってよっぽどだよ……?」
「この間研究室にあった薬品リスト、シグールに見られたんだよね」
「で?」
「……まぁ、頑張りなよ」
「なぜ俺を見るΣ( ̄□ ̄|||)」
「何にしよっかなー♪ ルック、ひとつだけじゃないとだめ? 誕生日プレゼントなしにされかけた僕に対してひとつだけ?」
「……三つまでなら安く売ってあげる」
「やった\( ̄▽ ̄)/」
「というわけだから。テッド、頑張って」
「おい!? お前いったいどんな薬品リストなんだそれ!?」
「黙秘」
「(゜□゜)」
***
というわけでシグールのプレゼントを用意する担当はルックでした。
ものすごく行き当たりばったりなプレゼントでした。プライスレス友情。