テ「……………………あれ、なんか理不尽じゃねぇのこれ?」
ク「別にどこも理不尽じゃないよ?」
テ「いやいやいや、理不尽デスヨ? 今日は何月何日よ?」
セ「今日は九月三日ですねー」
ル「時空を越えた百万世界ではドラ○もん誕生日スペシャルを放送予定」
ジ「相変わらずどうでもいい情報だよなルック……」
ル「いや、そうでもない」
ク「え、なんで?」

ル「あんたらは知らないかもしれないけど、九月三日というのはドラ○もんの誕生日なんだ」
ジ「それは今言ってたな」
ル「ドラ○もんっていうのはね、青い猫で、一人の少年の人生を超常現象で歪め、定められた未来へ沿わせるという使命を持ってやってきた存在なんだよ」
セ「なんか怖いねー」
ル「それに変な薀蓄が多くて年寄り臭いのに妙に子どもな一面も持つ」
ク「ああ、わかった。つまり今日はテド○もんの誕生日だってことだね」
セ「テド○もん?」
ル「ほら、そこにシグールに渾身の裁きを喰らって、クロスに縄で縛られて、現在は正座させられている人のことだよ」
セ「テッドさんがテド○もん? じゃあ青い猫に変身する?」
全「「ぶふっ」」

テ「おいこらてめぇら、俺を助けろや!!」
ク「ダメだよテッド、シグールのお怒りが解けてないもの」
テ「俺は俺の自由意志を主張する!」
ク「ここ、シグールの屋敷。ここ、彼の自室。君の目の前の料理、彼の財布から材料費を購入。何か異論でも?」
テ「なんで俺がこんな目に!」
ク「いくら長生きしてボケたって、自分の誕生日忘れるようじゃあ……ねえ」
テ「べべ別に忘れたわけじゃねぇ!」
ク「じゃあどんなワケ?」
テ「一瞬頭からすっ飛んでいたんだ」
ク「ああ、加齢に伴うボケだね。しょうがないよテッド、長生きすればそんな事もある」
テ「お前ら全員とっくにくたばってる年齢だろうが!」

ジ「で、シグールとしては許す気はないんだな?」
シ「やだなあジョウイ。僕は今、全力でお祝いしてるじゃない」
ジ「は?」
シ「テッドのために作られた料理をテッドの前で見せびらかして豪勢に食べる! 最高の祝い方だと思わない?」
ジ「……いや、思わない? って言われても……普通にいじめだろ」
シ「いーの。「ちょっと見たい市があるから明日から数日出かけていいか?」って一昨日聞かれた僕の身になってよ。ふ・ざ・け・ん・な! って感じだよね(゜▽゜♯)」
ル「あんたの怒りはわかったから、ソーセージにフォークをぐさぐさ突き立てるのはやめてよね。肉汁が出すぎたらまずくなる」

セ「シグールさん、テッドさんはテド○もんに変身するんですか?」
ジ「セノ……あれはルックのじょうだ」
シ「するよ」
ジ「ちょっと、シグールも真面目に答えるなよ、セノが信じちゃ」
セ「青い猫になるんですか?」
シ「見たい?」
セ「見たいです!」
シ「わかった。他ならぬセノの頼みだから聞いてあげる☆ ちょっと待っててネ♪」

ル「…………テッドに幸あれ」
ジ「話題振ったのはお前だからなルック……」
ク「セノを止められなかったのは君の責任だジョウイ」
ジ「いやいや、やっぱりここは一番悪いのはテッドってことで」
ル「違いない」



シ「さぁテッド、許すチャンスをあげるよ!」
テ「限りなくいやな予感しかしないが、なんだ」
シ「これを着て「ぼく、テド○えもん」って声真似したら許してあげる( ̄▽ ̄)」
テ「………………………………どう見ても青タイツだが?」
シ「全身ね!」
テ「あと赤い首輪に黄色の鈴だよな」
シ「白いポケットも用意した」
テ「…………それと、なんだこれは?」
シ「ヒゲかいてあげる」

テ「くろすタスケテ」
ク「じゃあ僕は赤い鼻をかいてあげるね♪」
セ「ついにテッドさんがテド○もんになるんですか?」
シ「なるなる。すぐになるからちょっと待ってて」
セ「わ〜い\( ̄▽ ̄)/」

テ「わかってやってんだろうこの天魁星s共がぁああああああ!!!!」





***
ハピバテッド☆
前日会話をしていたはずなのに、一週間ほど前からメッセージも頂いていたはずなのに。
思い出したのは九月二日午後七時過ぎ、TVで「ドラ○もん誕生日スペシャル明日放送!」のCMを見てからでした。

せっかくなのでテド○もんに出番をあげました。



(オマケ)

「「あはははははははははははは!」」
「「ぎゃははははははははははは!」」

セ「わぁい、テド○もんだー♪」
テ「……セノ君や」
セ「はーい」
テ「君は、確信犯でコレなのか? それとも無邪気にコレなのか?」
セ「どっちかなんですか?」
テ「……いや、よく考えたら大差ないですネ……」

シ「ねえねえテッド、なんかその格好に違和感がない?」
テ「このうえなくありまくりだが、なにかなシグール君や」
シ「青い「猫」のはずなのに耳がないよね? はい、ネコミミ☆」
テ「……お前はこれ以上、俺に生き恥を晒させるつもりか」
シ「せっかくだから今までの五百年分くらい晒しておいたら?」
テ「…………俺のかわいい坊ちゃんはどこにいっちまったんだろうなぁ」