テ「はは……ははははは」
ク「この時期は鬼門だねえ……通算するとジョウイ並じゃない?」
ジ「コミケ後で気が抜けてるってのもあるだろ。今年はサークル参加だ」
ル「暑いしね……」
セ「それ、シグールさんに言う勇気ある人いるの?」

全「………………」

テ「ま、まあなんだ! 誕生日に家にいなかったシグールも悪いからな!」
ジ「そ、そうだよな! 時差とかもあるし今頃たしかファレナだろ!」
ル「僕が迎えに行くことになってるのは二十一日だからね。本人も忘れてたんじゃない?」
ク「あはは、やっぱりねー! そんなにほいほいとシグールの誕生日を僕らが忘れるわけないじゃんねえ!」
セ「でも全員忘れてましたよねー」

全「………………」

ジ「ええと、では中継現場をファレナへと飛ばします」
ク「飛ばします!」





。○o。゚・*:.。. .。.:*・゜。o○





ロ「ぶえっくしょん」
ア「派手なくしゃみだねえ、ロイ」
ロ「…………無限大に嫌な予感が。また何か俺に隠してるんじゃねーだろうなアルフ」
ア「あはは、いやだなあ。僕が親友の君に隠し事なんてしたことあったっけ」
ロ「俺としてはこれの存在から聞いてねぇ」
シ「いやだなあロイ。僕はアルファード=バロウズの友人で立派な賓客だよ」
ア「そうだよロイ。指差すなんて失礼だよ」
ロ「言いたい放題だな畜生!! じゃあ俺は関係ないから帰るぞもう!」
シ「賓客がいるんだからもてなしてよ」
ロ「時間外労働だろうが!」
ア「しょうがないなあ。じゃあミアキスでも呼」
ロ「俺を殺す気かい!」
ア「じゃあリオ」
ロ「どのみち死ぬわ!」

シ「あははは! やっぱり楽しいなあ、二人は」
ア「あ、ほんと? やったねロイ、コントデビューできるよ」
ロ「したかないわそんなもん! お前いい年していい加減にしろよ!」
ア「ロイってば、昔はこんな冗談にもノってくれたのに……」
シ「二人で誓った友情はどこにいったんだろうね」
ロ「そんな友情誓ってねぇ!」

ル「賑やかですね。お久しぶりですシグール様」
シ「あ、久しぶりルセリナ。元気だった?」
ル「はい、旦那様も私も大過なく」
ア「どうしたのルセリナ、もう寝てるかと思ったよ」
ル「ええ、そろそろ休ませていただこうと思ったのですけど、シグール様に伝えることがありまして」
シ「え、僕? なに?」
ア「……あ」
ル「ふふ、お忘れですか」

ロ「あー……そういやそうだ。誕生日だったなお前」
シ「…………あ?」
ア「そうだった! お誕生日おめでとうシグール! なんかもう夜だけど!」
ロ「っつーかお前十九日だろ? ほぼ終了してるぜ」
シ「うわあああ、僕も忘れてた!! 皆が何も言わないから!」
ア「あれ?」
ロ「どうしたアルフ」

ア「……ごめんシグール、僕は二十日だと思ってた」
シ「へ?」
ア「ルセリナ、もう寝た方がいいよ。物音聞こえても部屋でないでね。後始末は僕がするから」
ル「???」

ロ「おいアルフ……真っ青になってルセリナ追い出してなにおっぱじめる気だ」
ア「あは……あはははは!」
シ「サプライズパーティでもしてくれるの?」
ア「あ、あはははは!」
シ「………………アルファード」

ア「……日付が変わった瞬間に、数名が奇襲をかけてくるんじゃないかな……」
ロ「それはアレか、女王騎士お局様をはじめとする愉快な一家か」
ア「お局様もだけど、遠方にお嫁に行った叔母さんもだよ♪」
ロ「奇襲かけるような年かあの人は!」
シ「あの、アルファード……僕はその人たちに面識あんまりないよね!?」
ア「親しい友人の誕生日だって言ったらなんか悪乗りしちゃって。ゴメンネ☆」
シ「謝罪に誠意がかけらも感じられない!?」
ロ「っつーか俺は逃げるぞ畜生! リオンが宿直なわけだなおい!」
ア「だめ。ロイはいて」
シ「うん、ロイはいて」
ロ「なんでだよ!」

シ&ア「イケニエ」

ロ「こんっちっくしょうぅううううう!!」





***
坊ちゃん。

ごめんなさい。



(オマケ)

テ「よ、よぉ、お帰りシグール」
シ「テッド……てっどぉおおおおおお」
テ「な、なんで抱きつくさらに泣く!? どうしたお前!」
ル「迎えにいった段階で半泣きだったんだけど……ほんと、どうしたのさ」
シ「ごごごごめんなさい、忘れててごめんなさい。僕もう絶対八月はファレナに行かない、行ってたまるもんか、誰が行くかぁああああ!」
テ「……何かあったのか」
シ「酒飲んじゃあ絡まれ、いい様にたかられ、ついぞ仕事の手伝いまでやらされたぁあああああ!」

ル「なんだ。ただ働きした悲しさか」
テ「ついでにお前が搾取されるとか珍しい」
シ「だって笑顔で「あそこの人はお金持ちだからたんまり稼いでおいで子供たち」って僕にたからせるから!」
テ「……………………世界は広いな」
ル「……………………まったくだね」