「じーちゃん誕生日おめでっとー!\( ̄▽ ̄)/」
「おめでとうございます」
「大勢で押しかけるのもってことで、俺達三人だけど勘弁してください。あ、これクロスからのケーキ」
「ああ。ありがとう」
「今年の誕生日プレゼントなー、ラウロが考えたんだぜ!」
「まぁ、考えたというか、提案してみたら全員一致でこれでいいという意見で」
「よく思いついたっつーか……思いついたら他のが霞んだっていうか……」
「ふむ?」
「教えろっつっても、俺にだけ教えてくんねーんだぜ!」
「まぁ、もうわかるし」
「リーヤ、ちょい」
「?」
「これつけろ」
「…………」
「あ、すげ。これシグール作?」
「ああ」
「細かいとこまで凝ってんな……さすがというか、変なところにこだわるっていうか」
「たぶんこれひとつで家建つだろうな」
「ラウロサン、トビアスサン」
「なんだ」
「……それ、何」
「んー?」
「首輪以外の何かに見えるならもう剣士やめた方がいいな」
「いや、この展開でなんで首輪が出てくるかってーのが……」
「一応このあたりにリボンがついている」
「皮に布つけるのって結構手間なんだよなー」
「いや、トビアスも何を冷静に」
「いいから首差し出せ」
「煤i゚▽゚;ノ)ノ」
ガッチャン
「というわけで、三日間リーヤをお好きにどうぞということで」
「もしかして俺売られた!?Σ( ̄□ ̄|||)」
「いやー、これが一番ヒクサクが喜ぶだろっていう満場一致の意見っていうか」
「日頃から孫孫煩い老人に思い切り孫バカをさせてやってほしいという一部たっての願いも篭っている」
「……一部っていうか一人だよなそれ?」
「…………」
「ああほらラウロ! さすがにじーちゃんも引いてるって――」
「……ラウロ、もうちょっと延長できないかな」
「Σ( ̄□ ̄|||)」
「それだとさすがにこちらも仕事に支障が出るからな。どうしてもというならまた来年容易しよう」
「そうそう。あんま長いとマンネリするかもだし」
「……ふむ、それで手を打とう」
「本人の意思は!?」
「贈答品に意思はない」
「(゜□゜)」
「つーかリーヤ、ヒクサクと一緒にいるの嫌なのか?」
「いや、そういうわけじゃないけどさー……」
「たまには祖父孝行してこい」
「それとはなんか違う気がする……」
「まぁ、ヒクサク様喜んでるからいいんじゃないのか?」
「……つーか、何すりゃいいの」
「向こうが希望出してくるだろう」
「仕事手伝ったり一緒に寝たりとかでいいんじゃないか?」
「……二人とも、俺の年齢知ってるよな」
「そうだなもうすぐ三十路」
「あんまりそうは見えねぇけどなー」
「……三十路と一緒に寝て楽しいか?」
「俺はまったく」
「俺もまったく」
「だがヒクサクの中ではお前はたぶんガキの頃のままだろうから、嬉しいんじゃないか」
「…………」
「どうせ中身は似たようなものだろ」
「少しは成長してるわ!Σ( ̄□ ̄|||)」
***
ヒクサクはっぴーばーすでー!
……くじ引きとか、そういうの一切すっ飛ばす程度に、これ以外考えられなかったんだ。
反省はしているが後悔はしていない。
そしてべったりでも健全臭しかしないあたりに健全たる祖父と孫の関係性を見出せてほっとしているとかなんとか。