フレア「あらやだ、もう一回言って?」
スノウ「え、だから……今日はクロスの誕生日で」
ケネス「あ、おい、スノウ!」
ポーラ「それは……」

フレア「そうなの!? ちょっと、予定と違うじゃない父さん!」
リノ 「どうやって決まったんだ?」
スノウ「クロスがうちに来た日だから……」
フレア「ああ〜っ! だからズれてるのよ、もうっ! 今すぐお祝いの準備しないと!」
スノウ「え」
フレア「大体ねスノウ! 軍主の誕生日はもっと大々的に祝わないと!」
スノウ「え、でも、その、クロスは自分の誕生日は余り知られたがらないっていうか……」

シグル「クロス様の誕生日は今日なのですか?」
フレア「そうよシグルド! 祝わずに済ませるなんて名折れだわ!」
シグル「俺も今知りました(笑顔」
ケネス「……シグルドさん、今、どこから出てきたんだ……?」

フレア「よし! 準備してクロスを捕まえに行くわよ!」
シグル「皆さんも協力してくださいますよね?」
三人 「「おー……」」

ケネス「………………ごめんクロス」



クロス「ちょっと、聞いてるー? テッド」
テッド「聞いてる」
クロス「嘘だ、聞いてない」
テッド「なんで俺がお前の愚痴に付きあわにゃいかんのだ!? 俺はもう眠い部屋に帰る!」
クロス「だーめー。ったく、ホント毎年この日は厄日なんだよー。今日も朝から甲板で足滑らせるしついでに海に落ちるし、モンスターは出てこないし交易は失敗するしビッキーに転移ミスられるし……」
テッド「日ごろ好き勝手してるんだから、年に一度の厄日ぐらい……」
クロス「何か言ったかなテッド?」
テッド「モチロンナンデモアリマセン」

フレア「ハッピバースデー!!」
クロス「煤i゚▽゚;ノ)ノ」
テッド「Σ( ̄□ ̄|||) 扉をぶち破るなお姫さん!!」
フレア「あらごめんなさい。破るつもりはなかったのよ? 本当よ?」
シグル「クロス様、お誕生日おめでとうございます」
ミレイ「あ、あの……おめでとうございます」

ケネス「悪いクロス…………スノウが」
ポーラ「スノウが」
テッド「ああ、スノウならしょうがないよな。ってなんだこの騒ぎは!」
フレア「クロスぅー、誕生日を隠すことないじゃない?」
クロス「え、ええと、それは」
シグル「俺にも教えてくださらなかったですよね」
クロス「あ、いや、だからね」
フレア「さぁ、机を片づけなさい! ミレイ、持ってきて!」
ミレイ「は、はい! クロス様、小さいですけれど……その、一応ケーキを用意しました」
クロス「え」

ケネス「俺達も一応準備はしてたんだ。ばれないように夜にこっそりやる予定だったんだが」
ポーラ「三人とも、入ってきて大丈夫」
タル 「おっけー! 鯛の刺身と極上牛を使ったシチュー!」
スノウ「エビのサラダにカニ饅頭」
ジュエ「あたしはちょっと奮発していい酒用意したよ! クールークのだけどね!」
ケネス「これが俺達からの贈り物。船の上だから凄いことはできないけどな」
ジュエ「ちょっと人数増えちゃったけど、なんとか皆にも食べ物行き渡ると思うんだー」

フレア「ちなみに私からは、これ☆」
クロス「ええと……なんですかこれ」
フレア「手袋。この間の戦闘中に端がだいぶぼろぼろだったでしょ? 今日だとは知らなかったのだけど、早めに届いてて良かったわ」
クロス「え……でも」
フレア「私の気持ちなんだからありがたくもらっておきなさいな♪」
クロス「……ありがとう」

シグル「それにしても、どうして誕生日を教えてくださらなかったのですか?」
クロス「それは……ええと」
ケネス「そういえば俺達も知らないな」
ジュエル「だよねえ。誕生日を知られたがってないのは知ってるけど」
スノウ「僕も知らないな。どうしてかい、クロス?」
クロス「ええと……」

テッド「あー、馬鹿らしい。こいつはさー、この日はいっつもろくな目にあわないっつーか厄日らしいんだよ」
クロス「だ、だって! 本当に今日だけは……その、本気で部屋に閉じこもっていたいんだもん」
ポーラ「今日は?」
クロス「え」
タル 「そうだぞクロス。今日も厄日か?」
ジュエ「そ、そりゃあたしたち、ラズリルにいることはそんな大々的に祝ってあげれてないけどさ」
ケネス「その分も、今年は……って考えてたんだ。だから」
クロス「今年は……」

フレア「いい誕生日よね!」
シグル「もちろんです」
テッド「あんたら脅すなよ……」
クロス「うん、いい誕生日。すごく嬉しい。みんなありがとう」
ケネス「じゃあグラス配るよ」
スノウ「あ、お皿もとって」
タル 「それじゃあ我らがクロスに」
ジュエ「かんぱーい!!」





***
ハッピーバースデークロス。
元々このネタのつもりだったので今年は遅めに祝いました。

リノとフレアは本来のクロスの誕生日を予定していたようです。
リノがなぜか祝う席にいないのは仕様です。



(オマケ)

テッド「あー……なんで俺まで」
シグル「すみません、部屋の片づけまで」
テッド「まーいいわ。結局奴らはラウンジまで飲みなおしに行っちまうし。クロスも今頃皆に祝われてるだろーさ」
シグル「ええ。俺も祝えてよかったです」

テッド「ところでさ」
シグル「なんでしょう?」
テッド「お前、プレゼントとか用意してるのか? なんか何も言ってなかったし」
シグル「急なことでしたから」
テッド「……いや、お前なら無理矢理なにかしかねん」
シグル「クロス様の喜ぶものをと日ごろから心がけていますので」
テッド「へー?」
シグル「ここに、一本のロープがあります」
テッド「?」
シグル「オベル遺跡に潜るのは久しぶりですねえ」
テッド「……え」
シグル「もちろんきてくださいますよね? テッド」
テッド「お れ か ー !!!!」