ジ「ぽっぺけっぺっぺー」
テ「…………どうしたジョウイ。ついにおかしくなったか」
シ「ど、どうしたのジョウイ。ついに壊しちゃった?」
ク「壊した言わない。ジョウイなら大丈夫だよ」
シ「……どこが」
ク「…………まあ、ルック、説明」

ル「まあぶっちゃけるとあれだね。ジョウイがアホになる薬をね」
ジ「ウソ言うな!! もう嫌だこんなの!」
ク「あ、戻っちゃった★」
ル「そのままアホになっていればよかったのに」
ジ「何でだよ!」
ル「こいつが引いてたじゃん。あんたって相手が予想外の行動すると弱いよね」
シ「う、うるさいなぁ……さしもの僕も焦ったよ。ジョウイが壊れちゃったら誰が僕の玩具になるのさ」
ク「壊れたジョウイはダメなの?」
シ「ダメ。面白くないでしょ?」

ジ「……それよりだれか、なんでこんなことになっているのか聞いてくれ……」
シ「ああ、そうそう。で、なんでおかしくなっちゃったの? てか主役は?」
ジ「セノなら今出てる」
テ「……は?」
ジ「だから、セノは今出ている。昨日の夜に馬車が迎えに来てね」
ク「そうか……シンデレラよろしく連れていかれちゃったわけだね」
ジ「違わい!! シュウからの緊急な連絡だよ」

シ「……てことはあれか。あの招待状は本物か」
ジ「何が?」
テ「いや、シグール宛に招待状がきてたんだよな。なんでも、国王の誕生日パーティを開催いたしますので是非ご出席うんぬん」
ジ「なっ……Σ( ̄□ ̄|||) 国の危機だって言うから貸したのに!!」
ル「国の危機にあの子が役立つわけないじゃないか。あの子連れていくくらいなら君にするよ」
ク「ってことはセノは今ノースウィンドウの城にいるの? ぱぱっと行くべき?」

シ「ヤだ」
ル「何でさ」
シ「だってこれ、チャリティーパーティだもん……寄付しろっつわれるもん……」
ジ「寄付ぐらいしろよこの大金持ちΣ( ̄□ ̄|||)」
シ「大金持ちはケチだからこその大金持ちです」
ジ「威張るな!! セノが一人寂しく拉致られてるのにその態度か!」
テ「まあ確かに。気がつかなかったセノやジョウイも悪いが」
ジ「僕もか!」
テ「しかしセノが一人はかわいそうだ。行ってやろうぜシグール」
シ「えー。だってシュウの要求する寄付金ってちょっと桁違うからね? 善意で払えるレベルじゃないよ?」
テ「まあ聞け。シグールは自分の懐から金を出したくない」
シ「うん」
テ「ジョウイはセノを一人にしたくない」
ジ「さっきからそう言ってる!」

テ「なら話は簡単だ。俺達がパーティに行き、チャリティ代はセノ奪還料金ということでシグールが立て替えればいい」
ク「誰に請求するの?」
テ「ジョウイ」
シ「なるほどう!(☆▽☆) じゃあジョウイ、ちょっくら十万ポッチぐらい稼いできてくれ☆」
ジ「むむむ無理! 生活すら国に持ってもらっている僕に何を言う!!」
ル「……甲斐性なし」
ジ「こっちだって同類だ!!」
テ「指をさすな。俺はシグールの仕事の手助けとかしているぞ?」
ジ「理不尽だー!!」

ク「まあどうでもいいけど、早く行かないとセノかわいそうじゃない?」
シ「それもそーだ。じゃあルック」
ル「自力で行け」
シ「お願い☆」
ル「馬車使え」
シ「…………一万ポッチ」
ル「はい、行くよ」
ジ「相変わらずがめついなお前は!」
ル「自力でちーとも稼げない甲斐性なしが何か言ってるね」
ジ「黙れー!(T◇T)」



セ「……あ、あれ? あれれ?」
ジ「セノ!!」
セ「シグールさん! どうしたんですか? あれ? ルックやテッドさんにクロスさんもいる」
シ「今日はセノの誕生日だろ? みんなで祝おうと思ってね」
セ「ありがとうございます!」
ジ「……僕は無視ですかセノ……orz」

ル「というか、パーティの予定じゃないの? なんか人いなくない?」
セ「ああ、シュウってばそんなこと言ったの? 違うよ、パーティじゃなくて」
シ「……なくて?」
セ「なんかシグールさんじゃないと絶対にいけないのがあって、レパントさんが来」
シ「僕今から逃げるわ、ルックあとで十万ポッチ支払うから逃がしてくれできればファレナあたりがいいな」
ル「わかった。幸運を祈ってもあげよう」
シ「サンキュー!!」

テ「……そういえばあいつ、半年ぐらい前からやたらときてたレパントの使い全部追い返してたな」
ク「ソレだね。何をそんなに嫌がってるのかはわからないけど、確実にソレだ」
ジ「……てか、チャリティーに十万ポッチは渋ったのに自分の逃走のためならいいのか。なんて奴だ」
ル「とりあえずこれで今年は夏まで安泰だ。よかったねクロス」
ク「うん、よかったねルック」
ジ「そういう問題か!?」

ク「まあまあ。シグールはいなくなっちゃったけどセノの誕生日は祝おうね……ってなにその帽子?」
セ「シグールさんがかぶせてってくれました」
ジ「可愛いよセノ」
テ「んじゃあ俺からのプレゼントはこれ。前に来た時おいしいって言ってた菓子な」
ル「じゃあ僕からはコレ。せめてこれぐらいの本は読みなよね」
セ「うん、ありがとう……なんかでも、分厚いよ?」
ル「薄い方だよ」
ク「僕からは……じゃーん♪ 奮発してブーツです」
セ「うわあ! ありがとうございます!」
ク「いえいえ。実は中古で引き取ったのを作り直しただけだから」
ジ「あんた……靴まで作れるのか」
ク「小間使いですから♪」
テ「気にするなジョウイ、これはスーパー小間使いだから」

ジ「じゃあ僕か」
セ「皆さん、さっき美味しい紅茶用意してもらったし、居間に行きましょうか」
ク「そうだねー。今日は泊まろうかな」
セ「はい! じゃあ皆で夜通し話しましょうね!」
ル「とかいって君は途中で寝るくせに」
テ「あはは、子供体質だなー……っと」
ク「では皆さん声をそろえて」

全「「ハッピーバースデー」」
セ「ありがとうございます!」





ジ「……で、僕のプレゼントはいつ受け取ってくれるのかな、セノ……」




 

***
ちょっと変則的に。
坊ちゃんは全力で逃げた。