リ「…………」
ラ「…………」
リ「…………あれ?」
ラ「…………おめでたい頭だな」
リ「あれ? れ? ちょ待。……あれーぇ?」

ト「まあ整理してみよーぜ。試験週間が始まったのは?」
リ「10日」
ト「そのとーり。今は?」
リ「えーっと、試験二日前だから…………15日?」
ラ「15日深夜だな」
ト「試験週間中とはいえど、部屋には帰ったほうがよかったなー……やっぱ」

ク「んっ……」
リ「ク、クロス……」
ク「ふぁ……あ、リーヤ、やっと戻ってきたのー?」
リ「あの、お、俺……」
ク「ルック、リーヤ戻ったよ〜」
ル「ふあぁああ……ああ、お帰り」
ク「リーヤ、誕生日おめでとう……って日付変わってるよ煤i゚▽゚;ノ)ノ」
ル「……まあ、戻ってこなかったリーヤのせいだったってことで」
リ「あの、ず、ずっと待ってて……くれた?」
ル「まあね。シグール達は返したけど」
ク「あ、セノとジョウイは十日後に来るって。試験あったの知ってたんだねー」

リ「あの……ご、ごめん。俺、昨日からずっとえーっと」
ト「部屋ガめてさ、仮眠室と勉強室で集中的に勉強してたんだよ」
ラ「じゃないとリーヤが必修単位を落としそうでな」
ク「え、そうなの? 大丈夫?」
ル「っていうか何を落としそうなのさ」
リ「……一般教養、家庭学と文法……」
全「「…………」」

ラ「はいリーヤ、目の前においてある水差しは何焼きだ?」
リ「う……えと……土器?」
ト「水入れはb器って教えたろー? まあ陶磁器ってくくりではあるけどさ」
リ「せ、セッキ?」
ラ「………………という具合でな。文法にいたっては主語述語動詞からやり直しだ」
リ「お、俺ちゃんと文章書けっもん!」
ト「でも文型書けねーと落ちるから。全部必修だから落としたら進級できねーぞ?」
リ「それはヤだ!!」
ク「そ、そう……大変なんだね」
リ「うー」
ル「ま、精々頑張りなよ。かわいそうだから邪魔しないであげる」
リ「ううー……」

ク「リーヤ、こっちおいで」
リ「クロスー……」
ク「はい、いい子いい子。頑張れば絶対大丈夫だよ、リーヤは頭いいんだから」
ル「最終的に丸暗記すればいいだろ。まぁどうしてもってならクロスが教えてくれると思うけど。家庭学とかは」
リ「う……だ、だいじょーぶ! 一人でできる!」
ル「そう。じゃあ十日後、僕らももう一度来るから」
リ「うん!」
ク「じゃあ試験頑張ってね。食べ物は置いてあるから好きに食べて? 明日までなら多分もつから。じゃあねリーヤ、十日後ね」
リ「ぜったいなー! 絶対来てよなー!」
ル「来るって。じゃあね」

ラ「………………一人で、ねえ」
リ「な、な、なんだよー!」
ラ「いや? 泣き付いてきたのは誰かなーと思ってな」
リ「ら、ラウロとトビアスは二年前に終わってるくせにー!!」
ト「まーまー、あと二日足掻いてみるしかないだろ」
リ「うわぁあああああん、トビアスー!!」
ト「うぉ、ちょ、しがみつくと皿倒れる皿っ!!」
ラ「まあ、今更b器と土器を間違えているという現実はかなり痛いがな」
リ「ん、んあことねーもん! もう覚えた!!」
ラ「そうか、じゃあこのサラダの入った皿はなんだ」
リ「……じ、磁器?」
ラ「じゃあこの葉は? ほら食っても良いぞ」
リ「(モシャモシャモシャ)……キャベツ、じゃなくてレタス!」
ラ「ほうれん草だ馬鹿。お前本当に落ちるぞ?」

リ「うわぁあああああん、ラウロがいぢめるー!!」
ト「まあ、十五歳の苦しみだなあ。ファイトだリーヤ」
リ「終わったからってよゆーなのちょームカつく!」
ラ「むしろ普通にパスる試験だろうが。ほら、食ったら一眠りして再開するぞ」
リ「俺の誕生日直後に試験設定した先生の馬鹿ぁあぁあああああ!!」
ト「まー、あきらめろ★」
リ「うわぁあああああああああああん!!!!」





***
リーヤに不幸をおすそわけ★(←試験中
専門科目はむちゃくちゃできるのに、必修科目というか一般常識科目が出来ないリーヤ君でした。