ク「えーっと、部屋の準備よし! 飾り付けよし! 料理の準備よし!」
シ「酒の準備もよし♪」
テ「まだ未成年じゃねぇか!?」
ジ「いい酒を知るのに年齢は関係ないんじゃないかな」
テ「……ジョウイ、お前だけは常識人だと思っていた」
ジ「止めても無駄だと学んだだけだ」
セ「じゃあそろそろ迎えに行ってねルック」
ル「わかってるって。ちゃんとリーヤが連絡してあるといいんだけどね」



シュンッ



ル「リーヤ、迎えにき」
リ「うわぁあああああん、ルック!!」
ル「な、なに? どうしたの」
リ「俺、ちゃんとラウロに言ったのに!」
ル「……まさか」
リ「ラウロ俺置いて課外実習いったぁああああああ(T◇T)」
ル「はあ……、ちゃんと伝えておいたの?」
リ「言ったぁあああああ!! 俺ちゃんと言ったのにぃい!」
ル「まあラウロのことだし、照れくさくって逃げたって可能性もあるだろうけど」
リ「俺ちゃんと言ったぁああああ!!」
ル「……はいはい、とりあえずクロスのところに行ってな。すぐに連れてくるからね」
リ「でも課外じっしゅ……」
ル「行き先は? すぐに飛んで引っ張り出してくるよ」
リ「(☆▽☆)」



〜五分後〜



ル「はいお待ちー」
リ「ラウロのばかー!(T◇T)」
ラ「…………うるさい」
ク「ちゃんとリーヤから聞いてなかったの? パーティーするよって」
シ「僕なんか特上のお酒持ってきてるんだよー?」
セ「忘れちゃってたの?」
ラ「……そういうわけじゃないが……」
テ「ま、何にせよアレだ」

全「「ハッピーバースデー!!」」

ク「ささっ、冷たくなっちゃう前に食べて食べてー♪」
ル「ケーキもあるから食べすぎないようにしなよ」
セ「このキッシュ美味しいですー☆」
シ「ん〜っ、寒いからシチューが身にしみるぅ!」
テ「この肉も絶品だな、どういう調理法にすればこんだけ柔らかくなるんだ……?」
ジ「温野菜もあったまるね、根菜は体にいいし」
リ「久しぶりのクロスの飯うめー!!」

ラ「……あ」
リ「どーしたラウロ? 食わねーの?」
ラ「いや、今日は二十二日か、と思って」

全「「………………」」

テ「ちょっと待てお前」
シ「まさかとは思うけど」
ク「ちゃんと事前予告までしておいたのに」
ル「しかも覚えにくいわけでもないし」
ジ「前後にイベントがあるわけでもあるまいし」
セ「……誕生日……忘れてたの……?」
ラ「ああ」
リ「Σ( ̄□ ̄|||) ラウロのばかぁあああああああああああああああ」
ラ「ちょ……耳元で叫ぶな騒がしい!!」
リ「俺三回くらい言ったのにぃい!」
ラ「お前は「パーティーがある」としか言ってない!」
リ「一月二十二日のパーティつったらラウロの誕生日以外に何があるんだよー!?」
ラ「課題が多くて忘れていたんだ、仕方がないだろ!? ちゃんと言わないお前も悪い!!」

ジ「まあ僕らくらいの年ならままある話だけどね」
シ「その年で忘れるのはまずいでしょ」
セ「指折り数えて待つのが普通だよ」
ク「そう? 僕自分の誕生日は毎年スルーだったけど( ̄▽ ̄)」
シ「クロスは特殊」
ル「僕自分の誕生日とか興味なかったけど」
セ「ルックも特殊だと思うよ」
テ「まあ俺はそんな記憶も覚えていないが」
ジ「年齢一桁で継承したらそうなるだろうな」
リ「なんで覚えてなかったんだー、ラウロのバカ!」
ラ「さっきからなんでバカ呼ばわりされてるんだ俺は!」
リ「だって……うれしそーな顔するラウロがみてーんだもん……」
全((リーヤ……))

ラ「はいはい、嬉しい嬉しい」
リ「軽ぅ!? めっちゃ軽っ!!」
ラ「お前のわがままに付き合ってたらきりがない」
リ「わがままじゃねーもん! ラウロがうれしそーな顔するのみてーだけだもん!」
ジ「いや、ラウロは喜んでるって。ねえラウロ」
ラ「いや、別に」
リ「ラウロのバカー!!」
ル「うるさい、食べないなら取り上げるよ」
リ「Σ( ̄□ ̄|||) 食べるー!」
シ「あっ、僕も食べる!」
ジ「ちょっ、それ僕のだシグール!! 煤i゚▽゚;ノ)ノ」
テ「おいコラ、それは俺の分だ、返せリーヤ!」
リ「やだもんなー、子供に譲れよ五百歳!」
テ「食卓は弱肉強食だ! 年齢三桁になって出直せ( ̄▽ ̄)」
ク「……君は何言ってるのテッド?」

ラ「……はぁ、相変わらず騒がしい……」
セ「照れくさいんだよね」
ラ「なにが」
セ「昔同じことしてね、ラウロと同じ反応した人いたんだよ」
ラ「は?」
セ「リーヤが祝ってくれたの、嬉しかったんだよね」
ラ「…………」
セ「早く食べないとラウロの分ほんとにみんなで食べちゃうよ☆」
ラ「……食べる」





***
ちなみに昔祝われたのはもちろん例の軍師です。
企画者はナナミとアップルです。

今年のコンセプト「本人が忘れている」でラウロほどしっくりくる人もまずいない。





(オマケ)

シ「なーにラウロ、お酒だめだったの?」
ラ「言ってなかっ……たな」
テ「残念、美味いのに」
リ「Zzzzz」
セ「Zzzzz」
ジ「癒されるなあ( ̄▽ ̄)」
ル「結構遅くなったし、そろそろ戻らないとまずいでしょ、送るよ」
ラ「ああたの………………………………Σ( ̄□ ̄|||)」
ジ「どうしたラウロ」
テ「真っ青だぞ」
ラ「きょ、今日は二十二日……?」
ク「ううん? もう日付変わったから二十三日だけど」
ラ「しまっ……しまったぁああ!!!」
リ「な、なに!?」
ラ「ルック、今すぐ俺を学園に戻してから速攻でラナイに送ってくれ!! 頼む!!」
ル「ちょ、ゆ、ゆすらないで、な、なんなのさ」
ラ「誕生日忘れてた!」
リ「うー? ラウロの誕生日もう終わったじゃん?」

ラ「ねーさんの誕生日今日なんだ!!」
リ「煤i゚▽゚;ノ)ノ マジ!?」
ラ「忘れてたなんて知られたらずたずたのぼろぼろに殺される!!」
リ「Σ( ̄□ ̄|||) ルック今すぐラウロ送ってやって!」
テ「ナニモンだお前のねーちゃん!?」
ラ「プレゼントを家のポストに突っ込みに行かせてくれ!!」

シ「……初めてあんな必死なラウロを見た気がする」
ジ「姉って永遠に最強の存在だからね」
ク「あ、わかるそれ。お姉さんって弟がどんなに最強になってもその上を行くよね」
ル「……待って、あれよりはるかに強い姉っていったい……」



***
XX年後に出会って「あ、なるほど」と思う一同でした。