シ「ちょ」
セ「え」
ジ「……ぉい」
テ「どーなってんだーっ!!」
レ「どうなってるも何も、クロスとルックはここ二週間ほど旅行へ行って姿を見ていません(しれっ」
ジ「じょ、冗談でしょう? だって今日はルックの誕生日で、集まるのが毎度の……ことだったんだけど」
セ「忘れ……たなんてことはないよね、ルックはともかくクロスさんが忘れるはず、ないのに」
テ「しかしどうする? 二人がここにいないのはマジなんだな、セノ」
セ「はい……もしかしたらルックなら、気配をごまかせるかもしれないけど……でもそんなことする理由ないです、よねえ?」
テ「レックナート様! なんも聞いてないんですか!?」
レ「ません( ̄▽ ̄)」
ジ「マジですか……」
レ「マジです(^▽^)」
シ「……ユルサナイ」
テ「Σ( ̄□ ̄|||)」
ジ「煤i゚▽゚;ノ)ノ」
シ「この僕から、居場所を隠そうだなんて、チャンチャラおかしいっ……!」
テ「ちょ、シグール、落ち着け!」
ジ「そ、そうだ、ほら深呼吸深呼吸!」
シ「嫌だね、僕に無駄足を踏ませたその罪は重いよ。その身をもって償ってもらうことにする」
セ「あ、あの、シグールさん落ち着いてくださいってば煤i゚▽゚;ノ)ノ」
シ「テッド」
テ「……なんですか」
シ「馬の手配をしてこい。僕は近所の古美術商に話をつけてくる。この塔の中身ぐらい引き取るだろう」
レ「……え」
シ「ああ、レックナート様。いい加減滞納していらっしゃる税金とか税金とか税金とかを払っていただけないので、この塔を差し押さえますから(^▼^)」
レ「い、い、いけません!」
シ「いけなくありません\( ̄▽ ̄)/」
レ「クロスとルックのところに飛ばしましょう」
ジ「知ってるんですか!?」
レ「私に不可能はありません」
テ「……最初からそうしてほしかったですよ……」
ビュン
テ「……おい、ここにいるのか。近所じゃねーか」
シ「セノ」
セ「ん〜……弱くて不安定だけど、感じます。町のどこかにはいるみたいですね」
ジ「弱いって……何があったんだ」
テ「あ、もしかして」
シ「ん〜……だねぇ」
ジ「?」
テ「おいジョウイ、そこの肉屋で惣菜かってこい」
シ「セノはケーキ屋さんでケーキね」
テ「俺はレストランでシチューのテイクアウトでもしてくるわ」
シ「僕は――ん〜、そうだね、サプライズでも用意しようかな」
ジ「……ああ、なるほど、そういうことか」
セ「??」
ク「ねえルック……怒ってる?」
ル「別に」
ク「ごめんね……ほんと、ごめん」
ル「別にって言って……ご、ごほ、ごほ」
ク「おとなしく塔にいればよかったのにね……熱、引かないね」
ル「でも今日は……みんな、くるから。帰る」
ク「だめだよ――その体調で転移なんかしたら、絶対へんなところに行っちゃうから!」
ル「で、も。皆来るし――ごほっ」
ク「じゃあ、僕が塔まで行って帰ってくる間、一人で寝ててね?」
ル「……わかった」
ク「じゃあいってき――」
バシン
テ「いたΣ( ̄□ ̄|||)」
ク「て、テッド!? なんでここに!?」
テ「お前、イチオウ聞くが今日はなんの日かわかってるんだろうな」
ク「わ、わかってるよ! ごめん、ほんっとごめん! 遠出で買い物したらルックが調子崩して、なんとかここまで来て……それで」
テ「だろうと思ったぜ。ほれ」
ク「……? シチュー?」
テ「すぐに皆が来――」
セ「あ、クロスさん! ケーキ買って来ましたよ」
ク「え?」
ジ「ああ、やっぱりルックが寝込んでたんですね。ありったけ惣菜買って来ました」
ク「え、ええ?」
テ「あ、ついでに下の食堂で飲み物持ってくるように頼んだし」
セ「朝から何も食べてなくて、おなかぺこぺこです〜」
ル「な……にしてんのさ……ごほっげほっ」
ジ「おーおー、ひいてるひいてる」
ル「だから、なんの」
シ「やーっほっ♪」
ク「Σ( ̄□ ̄|||) シグールなにそれ!?」
シ「僕から百万本の愛の束♪ ほれほれ、飾って飾って」
ル「……セノ、手に持ってるの何」
セ「ケーキ♪」
ル「あんたら、まさか」
テ「宿の許可はもらったしな」
ジ「あ、クロスさんちょっと荷物どけて。うわあ……テーブル惣菜だけで埋まるなあ」
ク「皆……」
テ「じゃあケーキを乗せたところで。はい」
全「「ハッピーバースデー、ルック!」」
ル「……っとーに、ヒマ人」
シ「はい、ルックにはお粥まわしてー」
セ「あ、ケーキは食べれるよね」
ジ「その煮物消化がいいらしいよ」
テ「ほいクロス。座って休め」
ク「あ、ありがと」
ル「……っとに、暇人共……」
ク「ね。ルック」
ル「なに」
ク「風邪ひいたのも、よかったね」
ル「…………」
***
時間ギリギリ。
ごめんなルック。