テ「……さて、困ッタコトニナリマシタ」
ジ「ありえない……(頭かかえ」
セ「どーしましょーねぇ」
シ「いーじゃん別に、楽にすんだと思えば♪」
ル「……あんたら、なにしてんの」
テ「おいルック、パーティの支度は昼からじゃなかったのか!」
ル「うん、そのつもりだったよ(目泳ぎ」
ジ「で、今会場ができあがっている理由は何かな」
ル「だ、だってクロスが……クロスがっ、昨日の夜からなんかおかしいと思ったらここ一週間かけてずーっと自分で準備してたんだもん」
セ「一週間!?」
シ「自分で?」
テ「おいこらクロス! お前今日が誰の誕生日か知ってんのか!」
ク「ぼくー!」
ジ「わかってんならなんで自分で支度するんですか」
ク「だって準備したかったんだもん……パーティ系はほら、テッドから僕までって結構時間あいてさ、パーティしたい病が」
セ「でも、せっかくサプライズパーティのつもりだったのに」
ク「毎年やってくれてる時点であんまりサプライズじゃないし……」
セ「でもぅ」
シ「ま、準備できてるものはいいじゃない。この料理を昼間に食べて僕らの準備を夜にまわして」
ル「昼も夜もここでどんちゃんするの」
シ「いーじゃんいーじゃん。はい、準備をしない僕からの手土産」
ル「……許可」
ジ「変わり身早っΣ( ̄□ ̄|||)」
ル「クロス、海老もらった♪」
ク「ウソっ、ありがとシグール!! 焼く、るっくんそれ焼くから殻のまま軽く洗って塩だけふってオーブンにつっこんで!」
テ「……どうして、誕生日のヤツが仕切ってるんだ」
ク「だってたくさん料理できるんだよ! たくさんの種類の料理をたくさん作れるんだよ! 何でこのチャンスをみすみす逃さなきゃいけないんだ」
ジ「理屈だけども、どーなんだそれは……」
セ「でも、クロスさんほんとに料理好きですよね〜、僕たちも何か持ってこればよかったね、ジョウイ」
ジ「いや……うん、まあ、そうだねセノ」
セ「でしょ? 今から何か買ってきたら間に合うかな」
ジ「う〜ん……でも、今から出るとルックがすでにテーブルに並べつつあるお皿のものを食べそこねそうな気が」
ル「そこ、くっちゃべってないで手伝う」
テ「はいはい、何をどこにおけばいいですかね」
ル「食器並べて、指紋つけないでよ」
シ「そんな気を使うコトないよねぇ、純銀製食器でもないくせにさ\( ̄▽ ̄)/」
テ「シグール!」
ル「……悪かったねぇ、純銀じゃなくてさ。どうせ合金ですよ銀は表に加工されてるだけだとも。お金持ちのボンボンはそこで食べずに黙っててくれる?」
セ「ちょっ、ルック、ダメだよ。シグールさんも悪気があって言ったわけじゃ」
ジ「悪気、あろうがなかろうがこの人の態度は問題ばっかりのような」
テ「お前も黙ってろバカ」
シ「だいたいね、誕生日なんて特別なイベントの時はきちんとした食器を用意するもんだろ」
ル「そのきちんとした食器があんたが今小ばかにしたのなんだよっ、普通の庶民より底辺な暮らししてる我が家に、銀食器なんて豪勢なモン買う余地があるか!」
シ「えっ、銀食器もないの!?」
テ「……ジョウイ君、銀食器ありますか」
ジ「ありますよ、シーナが「結婚祝いだ黙って受け取れ!」って送ってよこしたのが」
テ「銀食器ってちなみに使う?」
ジ「……客が来たときは使いますね」
テ「まあ、そういう感覚だよなあ……シグールはなあ」
シ「銀食器一そろいなんてそんな高いもんじゃないのに。日常的に使えとは言わないけどさ」
ル「高いんだ!! 一冬越せる!」
ク「二人とも、何喧嘩してるんの?」
ル「だって、こいつが銀食器ぐらいそろえろって言うからっ」
ク「銀食器? ……ああ、そういうことね。いいんだよシグール」
シ「なんで。それぐらいそろえるのはある意味礼儀だよ。どーしても買えないって言うならお祝いかなんかで贈るし」
ク「いいの。お客は料理と心でもてなすもので、食器でもてなすものじゃないんだ。僕の料理、美味しいでしょ? それは綺麗な食器で食べるからじゃないんだよ」
セ「クロスさんすごい〜」
テ「まあ、あいつらしいな」
ジ「正論だな」
ク「ね。だからいいんだよ。それよりスープが冷めちゃうから皆席についてね」
セ「は〜い」
テ「あ、残りの食器並べるな。ジョウイそこにスプーンおいて」
ジ「はい。ほら、ルックもシグールも座って」
シ「……ごめん」
ル「……あんたが謝るなんて珍しいね」
シ「だってクロスの誕生日だし」
ル「……そう」
ク「ほら、るっくんここね。シグールも座って座って」
テ「そいじゃま・・・なんかもてなされる側がもてなしてるが、とりあえず」
全「「誕生日おめでとう!!」」
〜後日〜
ル「…………」
ク「どーしたのルック」
ル「シグールから荷物……」
ク「どれど……ぎ、銀食器十人セット!?」
ル「い、い、いくらするのこれ」
ク「さ、さあ……売り飛ばしたらしばらく働かなくていいんじゃないかな」
ル「…………」
ク「どうしようね、もらっていいのかな。シグールにしてみればたいしたお金じゃないだろうけど」
ル「あいつに借りなんてつくりたくない」
ク「あはは、それじゃあ悪いけどことわ……あれ、そこに手紙が挟まってる」
ル「…………!!」
ク「なに? どれど……「この間のパーティの後、酔ったジョウイをからかっていて、客間のドアを破損してベッド使えなくして棚を壊したのでお詫びです」……え、客間そんなことになってたの!?」
ル「……もらっとく、修繕費になる」
ク「そ、そうだね」
***
お誕生日おめでとう。
5日のはずが4日だと思っていた。
ごめんな(汗