ク(そわそわ)
テ「……だっての、こら、おい」
シ「……じゃない、あ……でしょ、ちがうって……だって」
セ「あー、だめだめそれ……だから、あ、……でね」
ク(そわそわ)
ジ「……だろっ、あ、こらシグールっ、……で、……」
ル「もうちょっと、そ、……で、……お願い」
ク(こそっ)
ル「クロスっ!! 覗いちゃだめ!!」
ク「えー……」
ル「もうちょっとなんだから、そこで待ってる!」
ク「はぁーい……」
テ「……あれだな、いつもは自分が率先して用意してるからさ」
ジ「何もしないで待つってのが耐えられないんでしょうねぇ」
セ「せっかく僕ら、予定より二時間も早く支度始めたのに……」
シ「すでにスタンバって待ってたってのがねぇ、誰の誕生日かわかってんのかな」
テ「わかってても来たんだろうなぁ」
ル「ちょっとそこ、無駄話してないでとっとと用意する」
四「はぁーい」
セ「改めて、おめでとーございまーす」
ク「ありがとーv」
テ「っつーかお前、自分で今日の支度するつもりだったわけですか」
ク「えー、だって僕好きだし」
ル「……自分の誕生日ぐらい、ドーンと構えておいてよね」
ク「ごめんなさーい」
シ「じゃ、とりあえずおめでとーってことで、はいv」
ク「……これ何ですか」
ジ「饅頭」
ク「…………(山と積まれた饅頭を見上げる」
セ「クロスさん、お饅頭好きですよね? ほら、「群島伝説〜海の英雄の物語〜」にも」
ク「…………(山の頂に焦点を合わせる」
ジ「調達大変だったんだこの量」
シ「積み上げるのも一苦労☆」
テ「クロス?」
ク「…………(溜息」
セ「え? 気にいら……なかったですか?」
ク「いや、さぁ、別に僕は、そりゃ饅頭は好きだけど、こう、誕生日に登山するほど好きなわけじゃないんだよ」
テ「ええっΣ( ̄□ ̄|||) だってお前、あのころは体力回復軒並み饅頭でやってたじゃねぇか!」
ク「当たり前だよ! あれただで手に入れた魚介類からただで出来るんだよ!? おくすりなんてバカらしくて使ってられないじゃん!」
シ「え、体力回復饅頭だったの」
テ「おかげで俺はその後四十年間饅頭は見れなかった」
ジ「やっぱり相当好きじゃないとできないような」
ク「でもっ、でも、この山と積まれた饅頭どうしろっていうのさ!?」
シ「皆で食べる」
セ「あ、でもクロスさん」
ク「何?」
セ「ここにお饅頭、ざっと二百個ぐらいあるんですけど」
テ(遠い目)
セ「そのうちの二十個は、ルックの作ったお饅頭なんですよ」
ク「え、ホントるっくん」
ル「まあね。特注した最高級海鮮物入り饅頭二十個。ウニ、アワビ、シャコ、ホタテ、カニ……」
ク「どれどれどれっ!?」
テ「……目の色が」
シ「変わった……」
ク「あっ、あったっ、これ絶対るっくんのっ」
ル「…………」
ジ「うわ、正解」
ク「あ、車エビだ、おーいしーっ」
テ「じゃあ俺らも食べるか」
シ「当たったら食べていい? 高級海鮮饅頭」
ル「当たればね」
セ「……あの、ぜんっぜんわかんないんだけど」
ジ「……あ、これ普通の肉饅頭」
シ「これカニ饅頭だけど普通のカニ……」
テ「げ、餡饅頭まで買ってきたの誰だよ!? クドいっつーの!」
ル「……ああ、僕の作ったの追加で十個入ってるんだ」
ジ「……何味ですか」
ル「ワサビとカラシとコショウと」
テ「……と?」
ル「薬草ミックス」
ジ「Σ( ̄□ ̄|||)」
セ「あ、とりにくーv」
ク「二個目あったっ、アワビーv」
テ「……なんでこいつだけ当たるんだ?」
シ「……嗅覚?」
ジ「愛にしておこう愛に」
ル「…………(もぐもぐ」
セ「でも、二百個って、えーっと、六人で割ると」
ル「一人三十個以上」
テ「食えるか!」
シ「え、だらだら食べればいけるんじゃない?」
ジ「……人外の量だ」
セ「あまったら取っておけるよねー? あ、野沢菜v」
ル「大半のはね」
ジ「おるるるえあっ!?」
シ「あ、ジョウイカラシにあたった」
テ「……爆弾残り九個か……」
ク「三つ目、ホタテ!」
シ「え、クロスばっかりずっるーい! 僕もっ……あ、ハマグリ!」
テ「お前ら……ブッ」
セ「だ、大丈夫ですか〜?」
テ「……ハズレ二個目……コショウって饅頭の具じゃねーだろ……」
ル「コショウ売り切れ。残り八つ」
ジ「カ、カラシまだあるのか!?」
テ(遠い目)
ク「あたり四つ目ー、ア・ワ・ビv ルック、ありがとねーv」
ル「……ん」
***
クロスお誕生日おめでとう。
ネタに困った挙句饅頭パーティですよ。
クロスはそこまで饅頭狂ではないですが普通の人よりは好きだと思います。
4の饅頭屋システムは天晴れ過ぎて涙が出たよ。