「まったく遺憾だけど僕は全力で君たちに立ち向かうよ……!」
「それはこっちのセリフだ!」
ぎりぎりぎりと夕日に照らされて不毛ににらみ合う二人の横で、天魁星組は真顔で共同戦線を張っていた。
「とりあえず僕とセノでテッドを押さえて」
「僕がその間にジョウイを殴り飛ばす★」
「わかりました。その後三人でテッドさんですね」
それぞれの武器を構えた三名は目を光らせていまだに無意味な口論を繰り返している二人を見つめる。
「……好きにすればいいと思うよ」
この中で唯一運命が決まっているルックは、もはや遠い目でどうでもいいといわんばかりに傍観を決め込んでいた。
「ほんと、ばかばかしい……」
傍らにある二つの袋におさめられているのはニューリーフ学園の制服。
片方は男子物。片方は――女子物。
女性物のうち一つはルックのもので確定で、こればかりは今回の護衛仕事に必須なので仕方がない。
問題は残り――半数が男子寮で半数が女子寮に配置されるための制服の分配だった。
「覚悟、テッド&ジョウイ!」
「君らに女装させて護衛させて僕らはぬくぬく学園ライフを謳歌するんだ!」
「女装するなら女顔のお前らだろうがぁああああああああああああああ!!」
「二対三なんて卑怯だぁあああああああああああ!!!」
テッドとジョウイの悲鳴があがったが、本気になった天魁星トリオの前にどうなったかは――彼らのみぞ知る。