ラウロの自室でリーヤは理不尽な扱いに腹を立てていた。
「なんで俺だけ怒られなきゃいけねーんだよ!」
「勝手に俺の部屋で寝ていたのはお前もだろう」
「だからそれはじーちゃんとレックナート様も一緒だったじゃん!」
びしっ、と後ろでほけほけと笑っている大人二人を指差してリーヤは抗議する。

ラウロの部屋で勝手に寝ていたのは悪かったと思う。
けどそれは結構頻繁にある出来事なわけで(その度にハリセンで叩き起こされる)、リーヤはそのつもりであったのだけれど、今日に限っては起きたらなぜかヒクサクとレックナートまで一緒に寝ていたという。
それはリーヤのせいではないというのに、ラウロの怒りの矛先はすべてリーヤへと向いてくる。
理不尽だ。それは理不尽すぎるだろう。

頬を膨らませているリーヤに、ラウロは静かな声で一言だけ告げた。
「お前、あの人達に俺が怒れると思うのか」
「…………」
「できるならやってみろ」
…………」
くるりと振り向いて、ほけほけと笑っている二人と見て、リーヤはがっくりとうなだれた。

うん、無理。