<机上の空論>
「具体案に入ろうか? とりあえず北の三大国は押さえなんだよね」
「そ。ササライにもちかければ問題なし。承諾させる」
「群島は僕が動けばいいかな、クロスの名前がまだ通るといいけどね」
「通るって。あとはデュナンだけどセノを王様復帰させればいいわけじゃん」
「セノで大丈夫?」
「もれなく優秀な補佐のジョウイがついてくる☆ 任せよう」
「トランは?」
「トラン政府内に僕に背けるヤツがいるとでも?(にっこり」
「……愚問でした裏経済大臣さま。じゃああとは近場だと――ガイエン?」
「ガイエン問題なし☆ コネ確保してるから」
「コネがないのは……ファレナは?」
「ファレナは女王に取り入ればいいわけなんだけど。あそこ議会制だよねたしか」
「うん。一応オベル王家ととおーい親戚なんだけど」
「んー……いさかいもないしねえ」
「さくっとアーメスと戦ってもらう?」
「刺し違えかあ、被害が少ない方がいいから国境が危なくなる程度でいいんだけど」
「それでいいの?」
「うん、あとは貿易左右して」
「揺さぶりかけて仲間になりましょう☆ プランかな。でもどう先導するのさ?」
「アーメスは独自宗教があるからやりにくいな、クロス布教にいかない?」
「なんのさ」
「クロス教」
「……自分でいきなよ? シグールなら信者余裕で集まるし」
「僕はだめだよ、交易左右してアーメスとファレナ両方に圧力かけないと」
「あ、そっかー。じゃあ僕がいくかな。ご神体はルックで☆」
「いいねそれv じゃあファレナとアーメスはクロスに任せるね」
「シグールはどこ行くの?」
「そのさらに先の西大陸とか無名諸国の統一とか」
「うわー、めんどくさそう」
「へーきへーき、無名諸国はあっさり統一できそうなんだよ。元天魁星の腕の見せ所だね」
「天魁星といえば各地の真持ちはどうするの?」
「ヒデオとか湯葉とかフッチとかは僕らに逆らえないし……連絡取っとかなきゃいけないのはシエラさんくらいかなぁ」
「そだねー。真の雷と水の話は聞かないから誰も宿してないんだろうし」
「一番大変そうなのは西大陸だね」
「穏便に済ませたいんだけど……ここからじゃ経済も厳しくない?」
「へーきへーき、ファレナ抑えれば。ざくざくっと経済破綻寸前に追い込んでから補助入れれば……まあそんなにあっさりいくかはやらなきゃわからないけど」
「弱ったところクーデター起こせば完璧でしょ、こっちには天魁星三人もいるんだし」
「反対勢力は悪いけどテッドとかルックに頼むしかないね」
「……あの二人か。敵もかわいそうに」
「鍵はやっぱり経済だね」
「そうそう、統一する場合均等に貧富をならさないといけないし」
「とりあえずさ、名産物があるところは産業がやりやすいわけ」
「陸路と海路を確保していきわたるようにしてさ、その分ないわけだから税金分どうするの?」
「あー、違う違う。地区に分けて課すんだよ」
「えっ、それ鬼! 通行に課そうよ」
「そしたら海路のが安くならない?」
「海路は危ないし。海賊とかいるしさ。陸路の方が早い場合も多いし」
「空路ができればいいのにねえ、空飛ぶ動物って何がいる?」
「竜とかグリフォン?」
「……竜騎士に圧力かけちゃう?」
「やめときなって、いくらなんでも可哀相だよ」
「むーう、その辺のモンスター飼い慣らせないかな」
「やってみようか?」
「できるの?」
「罰でちょいちょいと脅して?」
「言うこと聞かなかったらソウルで喰っちゃう?」
「オケー」
***
こんな会話。
一周年記念ペア投票の五位記念小説でした。
「……お前ら、何の会話だ」
「「あ、テッド」」
「妙に物騒な単語が聞こえたが何をやらかすつもりだ」
「「世界征服?」」
「……カッテニシテクレ」