<うたたか>





家事の合間に読書をしていると、背中にぬくもりを感じた。

「ルック?」

ん、と背後の人物は呟いて、そのまま額を擦り付けてくる。
「どうしたの?」
「……別に……」

すりっ

すりっ

「……えーっと、何かな?」

背中合わせにもたれかかってくる事は割合よくあるが、首をひねって振り向いたクロスが目にしたのは、後ろからしがみついて頭をクロスの背中に擦り付けているルックだった。
かまってほしいならそう言えばいいし、別に今家事をしているわけでもないのだから。
「暇なの?」
「……いい」
「だから、なにがさ」

顔を上げて、ルックはクロスを見上げた。
「本」
「うん?」
「読んでるなら、いい」
「え、ただの暇つぶしだし……」
閉じかけると、脇から手を伸ばされてルックが強制的に本を再び開く。
「いいっ」

えーっと、としばし思案して、クロスは微笑んだ。
ルックは読書の邪魔をされるのが嫌いだ。
だから、当然クロスもそうだろうと考え、邪魔をするような事はしたくないのだろう。

「ルック、僕は読書よりルックといる方が好きだな」
「っ……そ、ゆーのじゃ」
「うん、じゃあ読書はおしまい。ルックの時間」
ぱたん、と本を閉じてクロスは笑顔で体の向きを変えると、後ろにいたルックを抱きしめた。

 

 

 

  

  

***
甘い4ルクが書きたかっただけなんです。
猫みたいに甘えるルックがかわっ
……げふっ(切り裂き襲来

マジで小ネタ。